自己分析で理想の仕事を見つける!転職活動は自分を知ることから

1. 自己分析が大事な理由

 突然ですが、転職活動を行う上で一番重要なことって何でしょうか?

先に答えを言うと転職活動で一番大切なことは「自己分析」です。
自己分析をやらなくても転職活動はできますが、理想の会社へ転職できる可能性は低くいです。

じゃあなぜ「自己分析」が重要なのでしょうか?
これまでの仕事で何にやりがいを感じ、何が嫌いだったかのか、将来的にどのように成長していきたいのかを「言語化」することで、なぜ転職をしたいのか軸がはっきり見えてきます。

この軸がはっきりしていないと書類の志望動機や面接の回答に一貫性が無くなり、また質問に対して浅い回答しかできないので、せっかく頑張って転職活動を進めても結果的にお見送りになる場合がほとんどです。

一方、この自己分析を通じて、自分にとって「転職するうえで大切なことは何か」を見つけることができるとブレない軸ができてスムーズに転職活動を進めることができます。

そこで今回は、理想の転職先を見つけるための自己分析の方法を紹介していきます。

2.理想の転職先を見つけるための自己分析の基本ステップ

 上の図は自分がどのような仕事ならば、自分が持ってるスキルを最大限に活かし、自分の価値観を大事にして満足度の高いキャリアを歩むことができるのかをイメージしたものです。

これはキャリア論の大御所であるエドガー・H・シャイン氏が提唱した
「キャリアアンカー」という考え方です。

この3つの円の中心部分があなたが仕事で大切にしたい転職の軸となります。
順番に解説していきましょう。

ステップ1:自分は何が得意なのか

 まずは、自分は何が得意なのかを探していきます。今までの自分の学生生活や、社会人生活を通して何が得意なのかを探していきます。

しかし、いきなり「得意なこと」と言われても周りにもってすごい人いるし、

自信をもってこれが得意だ!と言えない方が多いのではないでしょうか?

ここで注意してほしいのが、スキルの得意/不得意を周りと比較して判断しないようにしてください。

あくまでも自分自身が得意でうまくできると思っていることを考えてみてください。

自分が得意なことの探し方のヒントは

・自分がこれまでやってきたことは何か

 (経験者と比較する必要はありません。世の中にいる全ての人と比較すれば、

  全くやったことがない人よりはできるはずです!)

・大したことではないけど自分の強みと言ったらこれかなと思うこと

・他の人から○○さんはここが良いところだよね!と言ってもらったこと

などを思い返してみてください。

大そうなことである必要はなく自分ではできて当たり前、簡単なことと思うようなことで大丈夫です。
自分ではそう思っているだけで実は周りからは非常に評価されていることもあります。

それに当たり前のことでも、簡単なことでも、仕事をする上で絶対にできた方が良いことに
変わりはありません。どんなことでも要らないものなんてありませんからね!

この得意なことが大事な理由は

人はやっぱり「自分が得意なことをやっているときは生き生きしている」からではないかと思います。
誰しも、苦手なことばかりをやっていると周りと比較し、引け目を感じてしまったり、
成果が上がらなかったり迷惑を掛けていると思うと、居づらくなってしまったりすると思います。

キャリアアンカーとは自分の拠り所となる環境なので、そこにはやはり少しでも「自分の得意なこと」があり、少しでも自分の力が発揮できる環境が良いのかなと思います。

楽しいものに囲まれるのも幸せですが、
自分の能力が発揮され、自分の存在価値を感じながら生きられるのも幸せですね!

ステップ2:自分は何をやりたいのか

「これだ!」とすぐに思いつく方もいると思いますが、
中には仕事でやりたいことなんて・・・という方もいると思います。

その場合は
・仕事をしていて「楽しい」と思うとき
・今の仕事とは違うけど実は「興味」があること
・嫌なことばっかりだけど意外とこれは「嫌じゃないかも」と思うこと
などを考えてみてください!

「やりたいこと」と言われるとしっかりとしたビジョンがないといけないとか、
これがやりたい!と具体的に言えないとダメと思われるかもしれませんが、そんなことはありません!

例えば
・人と話すのが楽しい
・一番になれたときが嬉しい
・誰かに頼られたときに頑張りたいと思う
といった抽象的に思えるようなものでも全然大丈夫です。

それが「やりたいこと」に繋がっていきます。
仕事において「やりたいこと=何をしているときが一番楽しいのか」
楽しいものや楽しい瞬間に囲まれて仕事ができたらとっても幸せですね^^

ステップ3:自分はどのようなことに意味や価値を感じるのか

「どんな仕事であれば自分の人生にとって価値があると思えるのか」
正解はありません。どんなことでもそれが自分の価値観です。


・生活のため、生活できたらどんな仕事でも良い
・承認欲求を満たすため、仕事は誰かに認められている実感を得るためのもの
・存在価値を感じるため、誰かの役に立てている仕事であれば価値がある

・能力を上げるため、生きていくための能力を身に着けていくもの

・純粋に楽しいかどうか、楽しければ何でもよし!

・人生を彩るため、ただ生きるだけじゃなく豊かな人生を送るための仕事
他にもいろいろな考え方があると思います!

それが「価値観」です。
個人的には日々、様々な方のキャリア支援を行う上で、「価値観」がフィットする選択肢を
一緒に模索することを最も大切にしています。

これがフィットしていないと「何のために働いているんだっけ?」と
働く意味を失い、働く気力が沸かなくなってしまうと考えています。
働く意味、働く価値が見出せる環境で働くことは「働くことの根幹」になりそうですね!

自分の仕事の方向性を決める「8つのタイプ」

先述の「3つの問い」の回答を手がかりに、自分は具体的にどのような仕事に向いているのかを見つけていきましょう。キャリアアンカーでは仕事に求める価値観は8つに分けられると定義してます。

それぞれのタイプをお伝えしていきますが、当てはまるものが一つとは限りません。
最終的には優先順位をつけてみるとわかりやすいかと思いますので、
まずはそれぞれのタイプが「そう思う」or「そう思わない」いずれなのかを考えてみてください

▽キャリアアンカー「8つのタイプ」は以下の通りです。順番に解説していきますね

1. 「専門性」タイプ

 専門性とは特定の分野(企画、販売、人事、エンジニアリングなど)で自分の能力や技術を発揮し
自分の能力を活用することで自分らしさを確立したり、その分野で新たな挑戦をし成長していくこと
最も幸せだと感じるタイプと言われています。

要は「専門コンピタンスタイプ」はプロフェッショナルといわれる道を突き進みたい人ですね!
自分がコレと決めたこと(やりたいこと)をトコトン突き詰め、そこで知識・技術や能力を高め、
得た能力を発揮しながらさらに突き詰め、成長をしていくことが仕事をしていて一番面白い。
やりたいことを突き詰め、成長していくことこそが仕事だという人はこのタイプです。

2. 「経営管理」タイプ

経営管理とはさまざまな人の力を結集し、成長を生み出し、その成果に責任を負い、信頼に応える
と。組織内のさまざまな機能を相互的に結びつけ、対人関係を処理し、集団を統率する能力や権限を
使する柔軟な能力を発揮し、組織の期待に応えることができた時、最も幸せを感じるタイプと言われています。


要は「経営管理タイプ」はゼネラリスト、マネジメントといわれる道を突き進みたい人ですね!
人を統率し、人を動かし、成果を生み出していくことが面白いと感じ、どんどん昇進・昇格して、
上へ昇り、部下を増やし、大きな組織で活躍・成長したいと思う人はこのタイプです。

3. 自律・独立

「自律・独立」とは組織のルールや規則に縛られず、枠組みを自分で決め、自分のやり方で仕事を進
ていくこと。組織に所属している場合、仕事のペースを自分の裁量で自由に決めることができるよう
したいと希望するタイプと言われています。


要は「自律(自立)タイプ」は自由に裁量をもって好きなように仕事をしたい人ですね!
自由で在りたいがために会社を辞めて独立するという人はもちろん、組織に属していても、ルールに
られたり、決まりきったやり方を押し付けられることを嫌がり、何をやるか、どうやるか、いつやる
など、全てにおいて自分がやりたいように自由に働ける環境を好むという人はこのタイプです。

4. 「安定」タイプ

「安定」とはキャリアを安定させることによってリラックスし仕事に「満足度」をもてる。雇用保険
年金、退職手当等の経済的な安定を得ること。一つの組織に勤続し、終身雇用の保障が得られる限り
組織側の要望は何でも前向きにやるといった、組織への忠誠や献身がみられるタイプと言われています。

要は「安定タイプ」は安定したキャリア・人生こそが何よりも重要と考える人ですね!
安定・安心・安全を好み、例えば「大手企業」「公務員」「資格」などキャリアや生活が安定しそう
ものを得られることで、満足度が高くなったり、自分の将来について安心できたりと将来の保障を求
るという人はこのタイプです。

5.「起業家的創造性」タイプ

「起業家的創造性」とは何か新しいものを創り出すこと。障害を乗り越える能力と意気込み、リスク
恐れず何かを達成すること。何かを築き上げ、それが自分の努力によるものだという実感を得たいと
う強い欲求が主な原動力となるタイプと言われています。
要は「起業家的創造性タイプ」は世にない新しいものを自らの手で創り出すことに面白味を感じる人
すね!


自分の発想を大切にし、何かを自分の手で創り上げていくことが何より面白い。それに挑戦すること
臆せず、新しい何か(芸術・ビジネス・技術など)生み出すために尽力することに意味を感じるとい
人はこのタイプです。

6.「社会貢献」タイプ

「社会への貢献」とは暮らしやすい社会の実現、他者の救済、教育など、価値のあることを成し遂げ
こと。転職してでも自分が関心をもっている分野で仕事をする機会を追い求める。自分の価値観に反
る組織のもとでは働かないタイプと言われています。

要は「社会への貢献タイプ」は関心ある分野での社会貢献や他者の役に立てる仕事を選びたいと思う
ですね!

誰かの役に立ちたいという想いが強く、世のため、人のためになると自分が思える分野で働き、価値
るものに貢献し、自分が行ったことが社会や困っている誰かのためになることに喜びを感じるという
はこのタイプです。

7.「チャレンジ」タイプ

「チャレンジ」とは一見解決困難と思える問題の解決に取り組むことや、手ごわい相手に打ち勝とう
すること、あるいは難しい障害を克服しようとすることなど。不可能に打ち勝つプロセスが重要。知
を要する仕事において純粋にやりがいを感じる人、人と人との競争にやりがいを感じる人などが含ま
る。目新しさ、変化、難しさ自体が目的になるタイプと言われています。

要は「チャレンジタイプ」は困難なことに挑戦してその壁を突破することに面白さを感じる人ですね!
とにかく難しいことや誰も成し得ないようなことに挑戦して、打ち勝つことに面白みを感じる。果敢にいろいろなことに挑戦し、その挑戦自体が楽しく、挑戦している自分や壁を乗り越えたときの達成感
たまらなく好きという人はこのタイプです。

8.「ライフワークバランス」タイプ

「ライフワークバランス」とは個人的な欲求、家族の要望、自分の仕事に求めるもののバランスや調
をうまくとることに精力を傾ける。全体として自分のライフワークをまとめることができるようにし
いと考える。仕事を考えるときは、そうしたことが思いどおりにできる状況をつくり出そうとするタイプと言われています。

要は「ライフスタイル(全体性と調和)」は仕事やそれ以外のことも含め人生全体のバランスを重要視する人ですね!

その名の通り、仕事だけではなく、仕事以外の趣味や家族なども大切にしながら、何かに固執することなく、仕事もそれ以外のことも上手くバランスをとれる人生を送りたいという人はこのタイプです。

まとめ

キャリアアンカーとしては本来ひとつなのですが、
複数「そう思う」と感じたタイプがある方もいるのではないでしょうか?

(私も初めて知ったとき、これも、これも、これも当てはまる気がする・・・と思いました。)

キャリアアンカーとしてはひとつなのですが、
「そう思う」と感じたものは優劣はあれど、自分にとって大切だと感じている価値観なので、

それもぜひ覚えておいて頂くと良いと思います!

「これしかない!」とひとつに絞れるときは、間違いなくそれがご自身のキャリアアンカーです。
いくつもあるという方は優先順位をつけてみましょう。

考え方としては

「極論、こっち(タイプ①)だけの環境とこっち(タイプ②)だけの環境ならどっちを選ぶか?」
を考えてみてください。

そうすると何が一番大切なのかが見えてくると思います。

もしどうしても優先順位をつけられないのであれば、ご自身の中でまだキャリアアンカーが固まっていないのかもしれません。無理にひとつに決めようとせず、今大切だと思うものを大切にしていけば良いです。

そのうちに自然とこれが自分のキャリアアンカーだと自信をもっていえる日が来るのではないかと思います。

「キャリアアンカー」を知ることは
自分が何を大切にしてキャリア選択していけば良いのかを客観的に示してくれます。

そのことを理解して、キャリア選択をしていくことで自分が楽しい、面白い、心地良いと思える自分らしいキャリアに繋がっていくと思います。

そんな風に自分の価値観・仕事観を大切にしたキャリアを描くヒントになればうれしいです。

自己分析はキャリアのプロに頼るのも一つ